はじめに
恋愛中、気づけば「相手の好きなもの」に自分も興味を持っていた…そんな経験はありませんか?
たとえば、好きな人がカラオケ好きだと、自分も自然とカラオケに興味を持ったり、好きな人が好きだと言っていた曲を調べたりしてしまうこともありますよね。
「趣味や価値観が似ていると、気が合いやすい」とよく言われますが、実はそれだけではありません。
今回は、なぜ好きな人の好きなものを好きになるのか? その心理的な背景や、恋愛にどんな影響を与えるのかをわかりやすく解説します。

「同じ趣味」で恋愛がうまくいくって本当?
たとえば、自分はカラオケが好きなのに、相手がまったく興味がないとしたらどうでしょう?
付き合ってもらうたびに相手が無理をしていると、気をつかってしまい、素直に楽しめなくなることもありますよね。
一方で、同じ趣味や価値観を持っていると、心理的な安心感が生まれ、自然と一緒に過ごす時間が楽しくなります。
このように「自分と似ているものに魅力を感じる」心理は、心理学で「類似性の原理」と呼ばれています。
趣味や関心ごと、考え方、教育レベルや生活スタイルなど、どこかに共通点があるだけで、人は居心地の良さや信頼を感じやすくなるのです。
相手の「好き」を理解し、共感することは、ふたりの関係をより良いものにしていく大きなヒントになります。

好きな人の好きなものを好きになること
「好きな人の好きなものを、自分も好きになる」というのは、恋愛における自然な感情のひとつです。
この状態は心理学では「同一化」と呼ばれます。
同一化とは、他者に対する強い憧れや共感によって、相手の思考や行動を無意識に自分のものとして取り入れてしまう現象のことです。
たとえば、好きな歌手やアイドルの髪型やファッションを真似るのも、同一化の一種です。
恋愛でも、「あの人みたいになりたい」「あの人の世界をもっと知りたい」という気持ちが芽生えると、自然と相手の好きなものにも興味が湧いてくるようになります。
これは努力というよりも、感情の流れとしてごく自然なものです。
ただし、自分の好みを無理に押しつけることは避けた方がよいでしょう。
でも、もし相手があなたに興味を持っているなら、付き合いはじめなどのタイミングであれば別です。
「もっと知りたい」「共通点を増やしたい」という気持ちが強くなっている時期なので、自分の好きなことを少しずつ共有していくのも、関係を深めるきっかけになります。

まとめ
好きな人の「好き」を理解しようとする気持ちは、まさに相手への思いやりの形です。
それは、恋愛関係を深めるうえで欠かせない大切な一歩になります。
また、人は自分と似た価値観や趣味を持つ相手に惹かれやすい傾向があります。
これは心理学でいう「類似性の法則」や、「類は友を呼ぶ」といった考え方にも通じます。
共通点のある相手を好きになるのは、自分自身を肯定することにもつながっているのです。
次のデートでは、相手の“好き”に少しだけ歩み寄ってみてください。
その気持ちが伝われば、きっとふたりの距離はもっと近づくはずです。