はじめに
昔の自分を思い出して、思わず「なんであんなこと言ったんだろう」「あのときの自分、ちょっと痛いな」と感じたことはありませんか？
過去の自分を振り返って恥ずかしさや違和感を覚えると、ついネガティブに捉えがちですが、実はそれこそが「成長している証」でもあるのです。
この記事では、なぜ人は成長とともに過去の自分を客観視できるようになるのか、そしてその視点が人生にどのような影響を与えるのかを解説していきます。
自分を外から見る視点の正体
自分自身の行動や考えを、まるで他人のように外から見る感覚は「メタ認知」と呼ばれる能力に関係しています。
これは、思考や感情を一歩引いて観察する力で、子どもの頃にはあまり発達しておらず、成長と共に徐々に身につけていくものです。
メタ認知が発達すると、自分の発言や行動を客観的に見直すことができるようになり、他者との関係や状況に応じてより適切にふるまえるようになります。
つまり、自分の中に「もうひとりの自分」が生まれるような感覚です。
過去の自分が恥ずかしく感じるのはなぜ？
過去を振り返って「恥ずかしい」と思うとき、それは今の自分が新たな価値観や知識を持ち、当時の自分よりも視野が広がっていることの証拠です。
たとえば、思春期に言っていた理想論や、若い頃に取った突飛な行動なども、今だからこそ「未熟だったな」と感じることがあります。
これは、自分の成長とともに「過去と今の差異」に気づく能力が高まったからこそ起きる現象です。
逆に言えば、何年たっても同じ自分を正当化し続けているなら、それは成長が止まっているサインかもしれません。
自分を客観視できることのメリット
自己を外から見られるようになると、感情に振り回されることが少なくなり、冷静な判断がしやすくなります。
たとえば、人間関係で感情的になりそうなときでも、「今の自分はなぜ怒っているのか」「相手の立場ならどう感じるか」と立ち止まって考えることができるようになります。
また、過去の失敗や後悔も、単なる「恥ずかしい記憶」ではなく、「学びの材料」として活用できるようになります。
失敗に価値を見いだせるようになると、自己肯定感も自然と高まっていきます。
客観視する力を育てるには
この視点は自然と育つものでもありますが、意識的に鍛えることも可能です。
日記を書く、他人の立場で物事を考える、フィードバックを受け入れるといった行動が、メタ認知を養う訓練になります。
特に、日記や振り返りの習慣は、内省する力を高め、自分の思考パターンを客観的に捉えるきっかけとなります。
毎日数分でも、自分の言動を振り返る時間を取ることで、成長を加速させることができるのです。
まとめ
過去の自分を恥ずかしく感じるのは、今の自分が成長しているからこそです。
自己を客観視できるようになることで、冷静な判断ができるようになり、人生の質も高まっていきます。
あのときの自分がいたからこそ、今の自分がある。そうやって過去を受け入れ、未来へと活かしていくことが、本当の意味での「成長」なのかもしれません。