はじめに
最近、いつも買っているお菓子やパンを食べてみて「なんだか少なくなった?」と感じたことはありませんか?
実はそれ、価格がそのままでも中身が減っている「ステルス値上げ」かもしれません。
値上げというと、商品の価格が直接上がることを想像しますが、ステルス値上げはもう少しわかりづらい形で行われます。
この記事では、ステルス値上げとは何か、なぜ企業がそれを選ぶのか、消費者にどんな影響があるのかを解説します。
ステルス値上げとは
ステルス値上げとは、商品の価格を据え置いたまま、内容量を減らすことで実質的な値上げを行うことを指します。
パッケージや価格は変わらないため、消費者が一見して気づきにくく、気づいたときにはすでに「以前より損をしている」状態になっていることが多いです。
「ステルス」という言葉には「隠密」「見えにくい」という意味があり、企業が価格改定という形を取らずに実質的な値上げを行う方法として使われます。
なぜステルス値上げが起こるのか
原材料費の高騰、物流コストの上昇、人件費の増加など、商品を製造・流通させるコストが年々上がっています。
しかし、消費者の間には「値上げ=悪いこと」というイメージが根強く、企業が正面から価格を上げると売上が落ちる可能性があります。
そのため、価格を維持しながらコスト増を吸収する手段として、内容量を減らすという方法が選ばれるのです。
企業としては、消費者の心理的な抵抗を避けるための苦肉の策ともいえるでしょう。
よくある事例
ステルス値上げの例としてよく見られるのが、チョコレートやスナック菓子、洗剤、ティッシュなどの消耗品です。
以前は12枚入りだったものが10枚入りになっていたり、100gだったものが90gに減っていたりするケースがあります。
また、一見するとパッケージのサイズは変わっていないのに、中身の密度や量だけが微妙に少なくなっていることもあります。
このように、見た目には変化がなくても実質的なコストカットが行われている場合が多いのです。
消費者としての向き合い方
ステルス値上げは一概に悪いこととは言えません。
企業が倒産せずに商品を提供し続けるための工夫でもあり、極端な価格高騰を避けるための手段でもあります。
ただし、消費者としては「内容量が変わっていないか」「コストパフォーマンスはどうか」を見極める意識が求められます。
商品の裏面や成分表示、グラム数などを確認することで、自分の購買行動をより賢くすることができるでしょう。
まとめ
ステルス値上げは、価格を変えずに中身を減らすことで実質的に値上げする方法です。
企業にとってはコスト増に対応する手段のひとつですが、消費者にとっては気づかぬうちに負担が増えていることもあります。
情報に敏感になり、自分が何にいくら払っているのかを意識することが、現代の賢い消費者としての第一歩かもしれません。