はじめに
2008年に起きたリーマンショックは、世界中の経済に大きな衝撃を与えた金融危機のひとつです。
アメリカの大手投資銀行であるリーマン・ブラザーズの経営破綻をきっかけに、世界中の株価が暴落し、多くの企業が倒産や経営難に追い込まれました。
この記事では、リーマンショックがなぜ起きたのか、その背景や世界への影響、そしてその後の対応について解説します。

リーマンショックのきっかけ
2008年9月15日、アメリカの大手投資銀行リーマン・ブラザーズが経営破綻を発表しました。
創業から150年以上の歴史を持つ老舗企業の突然の破綻により、世界の金融市場は大混乱に陥りました。
この破綻の背景には、アメリカの住宅バブルとサブプライムローン問題が深く関係しています。
サブプライムローンとは、信用力の低い人々向けに提供された住宅ローンで、景気が良かった時期には多くの人が家を買うことができました。
しかし、住宅価格の下落とともに多くの人がローンを返済できなくなり、金融機関が抱えていた証券化商品が不良資産となってしまいました。その結果、信用不安が広がり、リーマン・ブラザーズは資金繰りに行き詰まり破綻するに至ったのです。
世界への影響
リーマンショックによって、世界中の株式市場が急落しました。
金融機関は信用を失い、貸し出しが急減。資金が回らなくなったことで、企業の投資や消費が冷え込み、経済活動が大きく停滞しました。
アメリカ国内では多くの企業が倒産やリストラを余儀なくされ、失業率は急上昇しました。
日本をはじめとする他国も輸出や投資が大きな影響を受け、世界的な不況に突入しました。
特に製造業や輸出産業へのダメージは大きく、日本でも多くの派遣社員が職を失うなど社会的な問題も広がりました。
各国の対応
アメリカ政府は、経済のさらなる混乱を防ぐために金融機関への公的資金注入や低金利政策を実施しました。
また、経済の活性化を図るためにさまざまな景気刺激策が導入されました。
各国の中央銀行も協力して市場への資金供給を行い、金融市場の安定を目指しました。
日本やヨーロッパ、中国などもそれぞれ独自の経済対策を打ち出し、世界的な景気後退からの回復を模索しました。
教訓と今後への影響
リーマンショックは、金融のグローバル化が進む中で、ひとつの企業の破綻が世界全体に波及する危険性を浮き彫りにしました。
また、リスクの高い金融商品への過剰な依存や、監視の甘さといった問題点も明らかになりました。
この経験を通じて、金融規制の強化や企業のリスク管理の見直しが行われ、経済の安定性を高める動きが進められました。
まとめ
リーマンショックは、アメリカ発の金融危機がいかに世界経済へと連鎖的に影響を及ぼすかを示した象徴的な出来事です。
サブプライムローンに端を発する信用不安は、リーマン・ブラザーズの破綻を引き金に、世界的な経済危機へと発展しました。
その後の経済回復には多くの時間を要しましたが、この危機を通じて学んだ教訓は、今後の経済政策や金融システムの設計において重要な指針となっています。