はじめに
布団に入ってからもついスマホを握り続けてしまう人は多いでしょう。
しかし就寝前のスクリーン行動は、入眠を妨げるだけでなく翌日の集中力や長期的な健康にまで影響を与えることが、近年の研究で繰り返し示されています。
本記事では、睡眠の質悪化からメンタルヘルス、肥満リスクまで広がる「寝る前スマホ」のデメリットを最新のエビデンスをもとに解説します。

スマホの光が入眠を遅らせる仕組み
スマホやタブレットの画面から発せられる青色光は、脳が分泌する睡眠ホルモン「メラトニン」を抑制します。
その結果、体内時計がずれ込み眠気のサインが遅れてしまいます。
若年成人を対象にした系統的レビューでは、就寝前のブルーライト暴露が睡眠時間と睡眠効率を短縮し、入眠までの時間を延長すると報告されています。
質の低い睡眠は翌日の集中力を奪う
メラトニン抑制による入眠遅延と夜間覚醒は、深いノンレム睡眠の時間を削り、記憶の定着や判断力に悪影響を及ぼします。
睡眠不足と認知機能の関係をまとめたレビューによると、注意力、ワーキングメモリ、意思決定がいずれも低下することが明らかになりました。
メンタルヘルスへの影響
就寝前のデバイス使用は睡眠低下を経由して抑うつや不安を強める可能性があります。
交絡要因を調整した前向き研究を含む系統的レビューでは、デバイス過剰利用が睡眠を介して若者のメンタルヘルスを悪化させる一貫したパターンが示されました。
病気リスクと体重増加
スクリーンタイム増加と短い睡眠は、それぞれが肥満の発症リスクを高める独立要因であることが欧州の大規模コホートで確認されています。
毎日プラス1時間の画面利用とマイナス1時間の睡眠が、いずれも過体重化の発生率をおよそ1割強押し上げました。
睡眠の質を守るためにできること
- 就寝の30分前にはスマホを手放す
- ナイトモードやブルーライトカットフィルターを常時オンにする
- 端末は寝室ではなくリビングで充電する
- 眠れないときは一度ベッドを出てストレッチや読書など光刺激の少ない行動に切り替える
これらの小さな習慣が体内時計を整え、翌日のパフォーマンス維持に役立ちます。
まとめ
寝る前のスマホ操作はメラトニン分泌を抑え、入眠を遅らせ、睡眠の質を低下させます。
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情報源その結果、翌日の集中力低下や気分の落ち込み、長期的には肥満リスクの増大といった多面的な悪影響が懸念されます。睡眠前のスクリーンタイムを意識的に減らし、光環境を整えることが、心身の健康を守る第一歩と言えるでしょう。