はじめに
胸にポニーのロゴが入った「ポロ ラルフローレン」のシャツは、今や“ポロシャツ”の代名詞。
そこから「ポロシャツ=ポロ ラルフローレン発祥?」と思いがちですが、実は由来は違います。
名前もスタイルもラルフローレンよりずっと前――19世紀末のスポーツウェアにさかのぼります。
この記事では、ポロシャツのルーツとブランド史、そしてラルフローレンがどう“ポロの顔”になったのかをわかりやすくひもときます。

「ポロ」の語源は乗馬競技
- ポロ(polo)はインド発祥の馬上球技。
19世紀にイギリス騎兵隊が本国へ持ち帰り、上流階級の人気スポーツになりました。 - 当初のユニフォームは長袖のコットンシャツ。襟が風でバタつくのを防ぐため、選手は襟先をボタンで留めました。
これが “ボタンダウンカラー” の原型です。
ラコステが生んだ「半袖ポロシャツ」
- 1926年、テニスの名選手 ルネ・ラコステ が長袖・ネクタイ姿でのプレーに限界を感じ、半袖・鹿の子編みの快適なシャツを自作。
- 1933年、ワニのロゴでおなじみ Lacoste(ラコステ) が量産を開始し、テニスだけでなくポロ競技にも採用されたことで“半袖ポロシャツ”が定着しました。
ラルフローレンが“ポロ”をファッションアイコンに
- 1967年、アメリカのデザイナー ラルフ・ローレン がネクタイブランド「Polo」を創業。
- 1972年、右胸にポロ競技の騎手ロゴをあしらった半袖シャツを発売。
“Polo Shirt”と名付け、上質なライフスタイルの象徴に昇華しました。 - ラルフローレン以前から存在したポロシャツに“クラシックで上品”というイメージを添え、世界的ブームを決定づけたのが同ブランドというわけです。
まとめ
- 語源:乗馬球技の“ポロ”→襟をボタン留めした長袖シャツが始まり。
- 形の進化:ラコステが半袖&鹿の子編みで現在の原型を完成。
- イメージの確立:ラルフローレンが“Polo”をブランド名に掲げ、アイコンとして世界に浸透。
つまり「ポロシャツ」という名前は ポロ ラルフローレン由来ではなく、スポーツのポロ由来。
しかし、私たちが思い浮かべる“ポロシャツ=上質なカジュアル”というイメージは、ラルフローレンのブランディングが決定的な役割を果たしたというのが真相です。