はじめに
人付き合いに悩んだり、「この人と一緒にいて大丈夫かな?」と感じたことはありませんか?
現代にも通じる“人間関係の見極めチェックシート”として知られるのが、仏教における「十重禁戒(じゅうじゅうきんかい)」です。
これは約2600年前、ブッダが示した“絶対に破ってはいけない10のルール”。
罰則こそありませんが、守らずに生きると必ず自分にツケが返ってくると言われています。
今回は、十重禁戒の意味と、「どんな人が危険サインなのか」をわかりやすく整理してご紹介します。

十重禁戒とは?
仏教では「戒(かい)」は、法律のように誰かに罰せられるものではなく、自分で守ることで心を清め、苦しみを遠ざけるためのルールです。
十重禁戒は、特にお坊さんだけでなく、一般の人が人間関係を築くときにも役立つと言われています。
不殺生(ふせっしょう)
現代で言う、サイコパスです。
命に対して思いやりがない人を指します。
動物を虐待したり、虫を無意味に殺したりする人は要注意。根本的に共感力が欠けている可能性があります。
不偸盗(ふちゅうとう)
スーパールーズな人のことです。
遅刻魔だったり人のものやお金、時間などを奪う人を指します。
いわゆる「借りパク」や嘘をついて人をだます人、モノや情報を盗む人です。
不邪淫(ふじゃいん)
恋人以外の相手と軽い気持ちで性的関係を持つ人。
浮気性で、心にもない愛情を簡単に口にする人も含まれます。
不妄語(ふもうご)
八方美人な人や二枚舌や嘘つきの人。
場面に応じて言うことを変えたり、相手によって態度をコロコロ変えるタイプは要注意です。
不酤酒(ふこしゅ)
お酒やドラッグなど、中毒性のあるものをコントロールできない人。
お酒の勢いで迷惑行為を繰り返す人も含まれます。
不説過(ふせつか)
他人の過ちをいつまでも許さない人。
過去のことを、いつまでも根に持ってグチグチ言ってくる人。
「昔のミスをいつまでも持ち出す人」はこれに当たります。
不自讃毀他(ふじさんきた)
プライドの塊で、自分を誇張して、他人を見下す人。
「自慢ばかり」「マウントばかり」で人間関係を疲れさせるタイプです。
不慳財(ふけんざい)
知識やお金、情報を与えるのを惜しむ人。
いわゆる「ケチ」や、人に何かをしてあげるのを損と感じる人です。
自分だけが得することしか考えていません。
不瞋恚(ふしんに)
怒りをずっと持ち続ける人。
恨みや怒りを手放せず、他人に八つ当たりしたり、いつまでも根に持つ人を指します。
不誑語(ふおうご)
素直に誰かの意見を聞けない人。
謙虚さに欠け、他人の忠告を無視して自分の意見ばかりを押し通すタイプです。
十重禁戒を現代に活かすには
これらの項目は一見するとお坊さんだけのルールに思えますが、実は「人間関係で大きなトラブルを避ける指標」として今でも通用します。
もし身近にこの戒を破っている人が多いなら、自分自身が巻き込まれないように距離を取ることも大切です。
同時に、自分自身も知らず知らずのうちに破っていないかを振り返ることで、信頼される人間関係を築くヒントになります。
まとめ
十重禁戒は、罰則があるルールではなく、自分を守るための「生き方のガイドライン」です。
誰かと付き合うとき、このリストを頭に置いておくだけで、人間関係での大きな後悔を避けられるかもしれません。
ブッダの教えは、時代が変わっても、私たちの人生に活かせる知恵なのです。