はじめに
2025年7月に東日本大震災を上回る大地震や津波が来る――。
そんな不安を煽る話が、SNSや一部の動画で広がっています。
しかし、多くの人が思い出すのは、かつて話題になった「1999年に地球が滅亡する」というノストラダムスの大予言でしょう。
あのときも世界中を巻き込んだ“終末論”でしたが、実際には何も起こりませんでした。
そもそも予言とは本当に当たるのでしょうか? そして、なぜ信じる人と信じない人がいるのでしょうか?
今回は過去の有名な予言を振り返りながら、予言と人の心理について考えます。

ノストラダムスの大予言はなぜ話題になった?
「1999年7の月、空から恐怖の大王が降ってくる」――
16世紀のフランスの医師・占星術師だったノストラダムスの予言集『諸世紀』に書かれていたこの一節は、20世紀後半に世界的な話題になりました。
当時の日本でもベストセラーの本が発売され、「地球滅亡説」が一気に広まったのです。
しかし、実際には何も起こりませんでした。
その後、さまざまな人が「解釈が違っただけ」「予言が外れたわけではない」と解釈を変えて語りましたが、現実に大事件は起きませんでした。
他に「当たった」とされる予言は?
歴史上、確かに“当たった”と言われる予言もあります。
例えば、聖書の中での大洪水の物語、あるいは有名な予言者エドガー・ケイシーが第二次世界大戦を予言したと言われることもあります。
しかし、これらは多くの場合、「後から当てはめてみると合っている」というものがほとんどです。
当時の人が予言としてどこまで具体的に受け止めていたかははっきりしないものも多く、完全に未来を正確に当てたとは言い切れないものばかりです。
予言を信じる人・信じない人の違い
人が予言を信じる背景には、心理的な不安や「未来がどうなるか知りたい」という欲求があります。
特に、地震や津波などの自然災害は人間にはコントロールできないため、「誰かがわかっているのではないか」とすがりたくなるのです。
一方で、科学的根拠を重視する人は、「具体的なデータがなければ信じない」と考えます。
過去の経験や、過去の予言が外れた事例を知っている人ほど、冷静に「また同じだろう」と捉える傾向があります。
また、社会不安が強い時代ほど、予言や陰謀論を信じる人が増えるとも言われています。
将来が見えないときに「何か裏に真実があるのでは」と思うほうが、漠然と不安を抱えるよりも心が落ち着くという面もあります。
地震の予言は本当に可能なのか
特に地震については、科学的には「ピンポイントで日時を当てることは現代の技術でも不可能」とされています。
日本は地震大国なので、大きな地震が将来また起こる可能性は高いですが、いつどこでという予言は、現時点で信頼できるものではありません。
科学の世界では、地震の発生確率やプレートの動きなどを長期的に予測することはできますが、「○月○日に大地震が来る」とは言えないのが現実です。
まとめ
1999年のノストラダムスの大予言をはじめ、これまで数多くの「大予言」が世界を騒がせてきましたが、ほとんどが現実には起こりませんでした。
2025年7月に東日本大震災を超える大地震が起こると断言する根拠はなく、科学的にも「日時を予言する」ことは不可能です。
大切なのは、不安を煽る情報に流されすぎず、防災意識を日頃から高めておくことです。
予言に振り回されるより、いざという時に自分と家族を守れる準備をしておきましょう。