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ヒグマはどうやって日本で暮らすようになったの?元々の生息地と、人間を襲う理由・本当に人を食べるの?

はじめに

北海道でたびたびニュースになるヒグマの出没情報。
山の奥だけでなく住宅地に現れることも増え、近年は人間が襲われる被害が深刻になっています。
そもそもヒグマはいつから日本に住みついて、なぜ人間を襲う事件が増えているのでしょうか?
そして「本当に人を食べるのか?」という疑問もあります。
今回は、ヒグマの歴史とともに、近年の被害の原因、人間を襲う理由についても解説します。

ヒグマ

ヒグマは元々どこにいた?

ヒグマは「ブラウンベア」と呼ばれるクマの仲間で、もともとはユーラシア大陸や北米の寒い地域に広く生息していました。
森や山の中で木の実、魚、小動物などを食べて暮らす大型の雑食動物です。

ヒグマはどうやって日本に来たのか

ヒグマが日本にやってきたのは、約数万年前の氷河期と考えられています。
当時は今の北海道と樺太(サハリン)が陸続きだったため、シベリア方面からヒグマが渡ってきたとされています。
氷河期が終わって海で隔てられても、北海道に定着し、大自然の中で生き延びてきました。

本州や四国にはいないの?

現在の日本では、ヒグマは北海道にしかいません。
本州や四国にはツキノワグマがいますが、ヒグマより体が小さく、人を襲う被害は比較的少ないです。
昔は本州の北部にもヒグマがいたと言われていますが、環境の変化や人との距離が近くなったことで姿を消したと考えられています。

ヒグマが生き残った理由

北海道は広い森林と山岳地帯が多く、ヒグマが暮らすのに適した環境が残っていました。
また、北海道の自然は本州に比べて人間の生活圏と野生動物の生息地が重なる部分が多いため、今でもヒグマと人間が出会ってしまうニュースが後を絶ちません。

近年、ヒグマが人を襲う事件が増えている理由

近年、ヒグマの人身被害が増えているのにはいくつかの理由があります。

ヒグマの個体数が増えている

かつては乱獲で数が減りましたが、保護の取り組みが進んだことで個体数が回復してきています。

山と人間の生活圏の境界があいまいになっている

過疎化や林業の衰退で、人里と森の境目が荒れて管理が行き届かず、クマが簡単に集落まで降りてこられるようになっています。

さらに、山の食べ物が不作の年は、ヒグマが人里にエサを求めて来ることも増えます。
人間のゴミや農作物を覚えると、「人間の近くにはエサがある」と学習し、出没を繰り返すようになります。

ヒグマは本当に人を食べるのか?

ヒグマは雑食性で、どちらかといえば植物や魚を主に食べていますが、人間を襲った場合は実際に食べることもあります
北海道の歴史には「三毛別羆事件」のように、複数の人命が奪われた深刻な事故もあります。

人を襲うのは、エサが足りないときや、人を「脅威ではなく獲物」として認識してしまった場合です。
また、人間に慣れてしまい恐れを感じなくなったヒグマは、襲撃のリスクが高まります。

まとめ

ヒグマは大昔、氷河期に大陸から渡ってきて北海道に根付いた大型のクマです。
近年は個体数の回復と人里への進出が進み、人間を襲う被害も増えています。
ヒグマは人を襲った後、実際に食べることもあるため、安易に「人間を怖がるから大丈夫」とは言い切れません。

被害を防ぐためには、ゴミを出しっぱなしにしない、森の近くではクマ鈴を使うなど、一人ひとりがクマとの距離を意識することが大切です。

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