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マル暴刑事はなぜ強面な人が多いのか?

はじめに

マル暴(暴力団対策課)刑事と聞くと、なぜか強面で無口、威圧感があるというイメージを抱く人も多いでしょう。
実際、映画やドラマでもそのような描写が定番です。
では、なぜマル暴刑事は“強面”の印象を持たれているのでしょうか?その理由や背景について解説していきます。

強面のスーツ着た男性

暴力団との対峙に必要な「威圧感」

マル暴刑事が相手にするのは、日常的に暴力や脅しを使う暴力団関係者です。
彼らと対峙するには、単なる法知識や論理だけでなく、「引かない姿勢」や「圧に負けないメンタリティ」が求められます。
そのため、第一印象で相手に舐められないような威圧感や存在感を備えていることが重要なのです。

あえて“近寄りがたさ”を演出する

マル暴刑事は、聞き込みや張り込み、暴力団関係者との接触など、警察内部でも特殊な任務を担っています。
その任務の特性上、一般人との距離感を一定に保つ必要があり、感情を見せない・軽く見られないという態度が習慣化します。
結果として“強面”に見えるのです。

潜入捜査や私服勤務での「風貌」

マル暴刑事は私服勤務が多く、暴力団の関係者に違和感を与えないために、一般的な警察官とは異なる風貌で行動します。
例えば、サングラスや無精ひげ、ラフな服装、がっしりした体格などが定番となっており、それが「強面」のイメージにつながっているといえるでしょう。

精神的なタフさと表情の乏しさ

暴力団対策では、ときに脅迫や買収の誘惑に晒されることもあります。マル暴刑事はそうした場面でも動じない精神力が必要です。
感情を出さず、表情を変えないという態度をとることで、自らの立場を守る訓練が自然と身についています。
その結果として、冷徹に見える=強面、という印象が強くなるのです。

実際には人情味あふれる一面も

外見や雰囲気は強面であっても、マル暴刑事の中には情に厚く、面倒見のいい人物も多いといわれます。
犯罪者と向き合うだけでなく、暴力団から足を洗いたいという人の相談に乗ることもあり、社会復帰を支援する側面も持っています。
そのため、厳しさと優しさの両面を併せ持つ「内に熱い心を秘めた強面刑事」という人物像が根強い人気を得ているのです。

マル暴刑事になるには?

マル暴刑事(暴力団対策課の刑事)になるためには、特別な採用枠があるわけではありません。
まずは一般の警察官と同じように採用試験を受け、警察学校での研修を経て、交番勤務などの現場経験を積むことが基本となります。

警察官として数年の現場経験を積んだ後、希望や適性に応じて刑事課へ異動することがあります。
さらにその中でも暴力団捜査に強い関心や適性があると判断されると、暴力団対策課、いわゆる「マル暴」に配属されることがあります。

マル暴刑事に求められるのは、高い精神力、タフな交渉力、そして暴力団関係者とも怯まず向き合える胆力です。
また、地道な情報収集や粘り強い聞き込みなど、体力と根気も不可欠です。

配属後は、暴力団関係者との接触や潜入捜査、証拠集めなど、リスクの高い任務も増えます。
その分、高度な捜査技術や人間観察力、対人スキルが自然と磨かれていく職場でもあります。

マル暴刑事になるには特別な資格は必要ありませんが、日々の勤務態度や上司からの信頼、実績の積み重ねが大きく影響します。
「自分からマル暴を希望する」だけでなく、「この人なら任せられる」と判断されることが重要です。

まとめ

マル暴刑事が強面に見える理由は、単に威圧感を演出しているからではなく、暴力団との対峙という特殊な業務の中で自然と身についた“表情”や“姿勢”の結果といえます。
見た目に反して、正義感や人情味にあふれた人も多く、外見だけで判断するのは早計かもしれません。
社会の裏側に踏み込みながらも秩序を守る存在として、マル暴刑事は今日も強面の奥にある使命感を胸に活動を続けています。

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