はじめに
「自分を大切に思う気持ち」は誰にでもありますが、それが極端になると、人間関係に影響を与えることがあります。
自己愛性パーソナリティ障害(Narcissistic Personality Disorder)は、過剰な自己評価や他者への共感の乏しさ、強い承認欲求などを特徴とする心の状態です。
この記事では、その一般的な特徴や背景、関わり方のポイントを紹介します。

自己愛性パーソナリティ障害とは?
自己愛性パーソナリティ障害は、誇大的な自己イメージと過剰な賞賛欲求、他者への共感の不足などが見られる傾向を指します。
一見自信に満ちて見える一方で、内面では傷つきやすい面を持つ場合があります。
一般的に見られる特徴
- 自分を特別な存在だと感じることが多い
- 承認や賞賛を強く求める
- 他者の感情に気づきにくい場合がある
- 自己中心的な判断をしやすい
- 批判に敏感で、強い反応を示すことがある
- 外見上の自信と内面の不安定さが共存することがある
背景要因
はっきりとした原因は分かっていませんが、幼少期の養育環境が大きく影響していると考えられています。
- 幼少期の過剰な賞賛や、逆に過度な批判や無視
- 条件付きの愛情体験(「○○できれば愛される」など)
- 家庭環境や育ちの中で形成された価値観や防衛反応
このような経験が「自分の価値を証明しなければ愛されない」という強迫的な思考につながり、過度な自己愛を持つ人格が形成されることがあります。
向き合い方と対処法
自己愛性パーソナリティ障害の人に対しては、まず「相手を変えようとしすぎないこと」が重要です。
共感や謝罪を求めすぎると、むしろ反発を招くことがあります。
- 感情的に反応せず、距離を保つ
- 期待値を下げて、冷静に対応する
- 境界線を明確にし、依存しすぎない
- 必要であれば専門機関に相談する
本人が自覚し、治療につながるケースもありますが、多くの場合は自分に問題があると認めづらいため、家族や周囲が抱えるストレスへのケアも重要です。
まとめ
自己愛性パーソナリティ障害は、外面的な自信と内面的な傷つきやすさが混在する特徴があります。
関わる人は、自分の心の安定を守ることを優先し、無理のない距離感を保つことが大切です。