はじめに
江戸時代に世界で初めて全身麻酔による乳がん手術を成功させた医師・華岡青洲（はなおか せいしゅう）。
その偉業の裏には、母・於継（おつぎ）と妻・加恵（かえ）が、自ら進んで麻酔薬の人体実験に協力したという有名な逸話があります。
では、青洲を支えた母と妻は、その後どうなったのでしょうか。
画像はAIで生成したものでイメージです。
麻酔薬の開発と人体実験
青洲が研究していたのは「通仙散（つうせんさん）」という麻酔薬。
アサガオやチョウセンアサガオなど毒性の強い植物を配合しており、人体実験は非常に危険でした。
母と妻は「自分の体で試してほしい」と志願し、長期間にわたって薬の投与を受け続けたと伝わっています。
母・於継のその後
青洲の母・於継は人体実験の影響で失明したとされます。
薬の毒性が原因で視力を失ったものの、息子の医学の発展を誇りに思い、その後も青洲を支え続けたと伝えられています。
失明した後は家の中で過ごしつつ、青洲の名声を見守る存在であり続けました。
妻・加恵のその後
妻の加恵も人体実験に協力した結果、体に障害を負ったといわれています。
具体的には、手足のしびれや体調不良が続き、長い間苦しんだと伝承されています。
それでも青洲のそばで暮らし続け、研究の成功を共に支えました。
青洲との結婚生活は順風満帆ではなかったものの、歴史の中で「医学の進歩に身を捧げた女性」として語り継がれています。
まとめ
華岡青洲が世界初の全身麻酔手術を成功できたのは、母と妻の大きな犠牲と協力があってこそでした。
母は失明、妻は後遺症に苦しむなど、彼女たちの人生は決して楽なものではありませんでした。
それでも、二人の献身は医学史に残る偉業を支えた事実として今も語り継がれています。
