はじめに
「え?これって昔は違ってなかった?」――多くの人が同じように“記憶違い”を共有している現象があります。
これを「マンデラエフェクト」と呼びます。
インターネットの広がりとともに知られるようになった言葉で、不思議な感覚を覚える人も多いでしょう。
この記事では、マンデラエフェクトの意味や有名な事例、広まったきっかけについて解説します。

マンデラエフェクトとは
マンデラエフェクトとは、多くの人が実際とは異なる記憶を共有している現象のことです。
例えば、「ある出来事がこうだった」と多くの人が信じているのに、実際には違っていた、というケースです。
この名前は、南アフリカの元大統領ネルソン・マンデラに由来します。
マンデラ氏は2013年に亡くなりましたが、「1980年代に獄中で死去した」と記憶していた人が世界的に多数いたのです。
この“集団の思い違い”が「マンデラエフェクト」と呼ばれるようになりました。
有名な事例
- ピカチュウのしっぽ
- 「先端が黒かった」と覚えている人が多いが、実際には黄色一色。
- モナリザの表情
- 昔は無表情だったと記憶している人が多いが、現在の絵はうっすらと笑っているように見える。
- キットカットのロゴ
- 「Kit-Kat」とハイフンがあると思い込む人が多いが、実際には「KitKat」が正しい。
- 映画『スター・ウォーズ』のセリフ
- 「ルーク、私はお前の父だ」と覚えている人が多いが、実際のセリフは「No, I am your father.」。
こうした“多くの人が共通して誤って記憶している現象”が、マンデラエフェクトとして話題になります。

きっかけと広まり
マンデラエフェクトという言葉は、2009年にアメリカの超常現象研究家フィオナ・ブルームが提唱したのが始まりです。
彼女自身が「マンデラは1980年代に死んだ」と記憶していたことから名付けられました。
その後、SNSや掲示板で「自分も同じ記憶がある」と共感する人が続出し、ネットを中心に広がっていきました。
いまでは世界中で「マンデラエフェクト事例集」としてまとめられるほど、人気のある話題になっています。
なぜ起こるのか?
- 人間の記憶のあいまいさ
- 記憶は脳の中で再構築されるため、時間とともに改変されやすい。
- 集団暗示・社会的影響
- 周囲の人が「そうだった」と言うことで、自分の記憶も書き換えられてしまう。
- 文化やメディアの影響
- パロディや誤情報が拡散することで、本来の情報がすり替わってしまう。
まとめ
マンデラエフェクトとは、多くの人が同じ“記憶違い”を共有してしまう不思議な現象です。
ネルソン・マンデラ氏の誤った記憶がきっかけで名付けられ、今ではSNSを通じて世界中で盛んに話題にされています。
人間の記憶のあいまいさを映す現象であり、同時に「みんなで勘違いしていた」と気づく面白さが、人々を惹きつけているといえるでしょう。