本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定のサービスや事業者を指すものではありません。
投資判断は必ずご自身で行い、必要に応じて専門家にご相談ください。
はじめに
近年、暗号資産を利用した「高配当投資」をうたう勧誘が急増しています。
月利10%や年利100%以上といった夢のような利回りを提示されると、つい心を動かされてしまう人も少なくありません。
しかし、その多くは実際には投資ではなく、典型的なポンジスキーム(自転車操業)に近い仕組みです。
本記事では、その仕組みや特徴、そして騙されないための見分け方について解説します。

ポンジスキームとは何か
ポンジスキームとは、新しく参加した人から集めた資金を既存の投資家への配当に回す詐欺的手法のことです。
実際には運用など行われておらず、資金の流れが止まった時点で配当も停止し、最終的に出資金は回収できなくなります。
高配当投資に見られる典型的な流れ
まず「月10%の利回り」「短期間で資産倍増」といった、常識的に考えて不可能な数字を掲げて勧誘します。
初期に参加した人には一時的に配当が支払われるため、本物の投資のように見えてしまいます。
さらに「友人を紹介すれば報酬が増える」といった紹介制度を設けることで、マルチ商法のように広がっていくのが特徴です。
暗号資産が悪用されやすい理由
暗号資産は送金が早く、現金よりも追跡が難しいため、詐欺に利用されやすい側面があります。
また「よく分からないが儲かりそう」という印象を利用して、不透明な仕組みを正当化するケースも目立ちます。
株やFXなら金融庁の許可が必要ですが、暗号資産の“投資クラブ”みたいな形だと監督が緩いのが事実です。
つまり「暗号資産を運用して配当」というより、「暗号資産を看板にした詐欺」。
金融商品取引法の厳しい規制を回避しやすい点も、悪用が広がる一因です。
また加害者が本当に裁かれるのは、詐欺そのものよりも、出資法違反や無登録営業、実際の摘発事例では詐欺そのもの以外の罪で立件されることもあります。
詐欺の立証は、“最初から騙す意図があった”ことを証明するのがすごく難しいのです。
騙されないための見分け方
怪しい投資話を見抜くには、いくつかのポイントがあります。
- 常識外れの利回りを提示していないか
- 運用内容の説明があいまいで、証拠を示していない
- 紹介制度や友人勧誘を強調していないか
- 運営者の実態や企業情報が確認できない
- SNSや知人からの勧誘だからといって安易に信用しない
特に、SNS上のコミュニティや知人の紹介を通じた勧誘は「身近な人から聞いたから安心」と思わせる効果があります。
しかし、相手もまた騙されている可能性があるため、必ず自分自身で情報を確認することが大切です。
まとめ
暗号資産を看板にした「高配当投資」の多くは、実際にはポンジスキームであり、投資ではなく詐欺に近い仕組みです。
SNSや知人からの紹介であっても、利回りや運用内容を冷静に判断することが、自分の資産を守る第一歩となります。