本記事は歴史資料や一般的な研究をもとにした解説であり、娯楽作品やフィクションとは異なる視点からまとめています。
はじめに
映画やアニメに登場する「海賊」。宝を探したり、荒くれ者の集団として描かれることが多いですが、「実際に本当にいたの?」と疑問に思う人もいるのではないでしょうか。
歴史をひも解くと、海賊は確かに存在し、特に16世紀から18世紀にかけて「海賊黄金時代」と呼ばれる時期がありました。
では、彼らはどんな暮らしをしていたのでしょうか。

海賊は本当にいたのか?
海賊とは、船を襲って金品を奪う人々のこと。
古代から近代に至るまで世界各地で存在していました。
- 古代ギリシャやローマの記録にも「海賊退治」の記述がある
- 中世ヨーロッパでは、バイキングも一種の海賊として恐れられた
- アジアでも倭寇(わこう)と呼ばれる集団が、14〜16世紀に東アジアの海で活動していた
つまり、海賊は世界のあちこちに、時代を超えて現れてきた存在なのです。
海賊時代とは?
特に有名なのが、16世紀後半から18世紀前半の「海賊黄金時代」。
- 舞台はカリブ海、大西洋、インド洋など
- 大航海時代のヨーロッパ列強が、植民地や交易を広げる中で誕生
- 船には金や銀、香辛料が積まれており、狙いやすいターゲットになった
この時代の海賊には、黒ひげ(エドワード・ティーチ)やキャプテン・キッドといった実在の人物がいます。
どんな生活をしていたのか?
海賊の生活は、ロマンよりも厳しさが際立っていました。
- 食事
- 保存のきく硬いビスケットや塩漬け肉。
水はすぐ腐るため、ラム酒でごまかすことも多かった
- 保存のきく硬いビスケットや塩漬け肉。
- 病気
- 壊血病(ビタミン不足で歯が抜ける病気)が深刻。
衛生環境は劣悪
- 壊血病(ビタミン不足で歯が抜ける病気)が深刻。
- 戦利品の分配
- 意外にもルールがあり、船長や航海士は取り分が多いが、乗組員にも平等に分け前があった
- 仕事
- 略奪だけでなく、船の操縦・修理・見張りなど日々やることは多かった
華やかに描かれる「宝探し」よりも、実際にはサバイバルに近い生活だったのです。
海賊に帰る場所はあったのか?
常に海の上だけで暮らしていたわけではありません。
- 拠点の港町
- ジャマイカのポートロイヤル、バハマのナッソーなどが有名。そこでは休養や補給をしていた
- 家族や仲間の元
- 中には家族を持つ者もおり、略奪の合間に陸に戻ることもあった
- 逃亡と隠れ家
- 追われる身でもあったため、無人島や入り江を隠れ家にしていたケースもある
つまり「海だけの暮らし」ではなく、港町や隠れ家を拠点にしながら活動していたのです。
まとめ
海賊は歴史上、本当に存在しました。特に16〜18世紀の「海賊黄金時代」には、数多くの海賊が大西洋やカリブ海で暗躍していました。
彼らの暮らしは過酷で、病気や飢えと隣り合わせ。
それでも仲間と分け合うルールや、港町での一時的な安息があったことも事実です。
私たちが想像するような華やかさよりも、現実はずっと泥臭いものだったといえるでしょう。