はじめに
がんの早期発見や治療効果の判定に使われる「腫瘍マーカー」。
健康診断や人間ドックで耳にしたことがあっても、具体的にどういうものか分からない人も多いのではないでしょうか。
本記事では、腫瘍マーカーの基礎知識から、検査の意味、注意すべき点についてわかりやすく解説します。

腫瘍マーカーとは
腫瘍マーカーとは、がん細胞が作り出す物質や、がんに反応して体内で増える物質のことを指します。
血液や尿を採取して測定し、体の中でがんが存在する可能性を調べる検査です。
主な腫瘍マーカーの種類
腫瘍マーカーには多くの種類があり、それぞれ特定のがんに関連しています。
- CEA
- 大腸がんや胃がんなどで上昇
- AFP
- 肝臓がんで上昇
- PSA
- 前立腺がんの診断に広く用いられる
- CA19-9
- 膵がんや胆道がんで上昇
- CA125
- 卵巣がんで上昇
ただし、これらの数値が高いからといって必ずしも「がん」とは限らず、炎症や良性疾患でも上昇することがあります。
腫瘍マーカー検査でわかること
- がんの可能性を示すサイン
- 治療の効果判定
- 手術や抗がん剤治療で腫瘍が小さくなると数値が下がる
- 再発の早期発見
- 治療後に再び数値が上昇すると、再発の兆候である可能性
腫瘍マーカーの限界と注意点
腫瘍マーカー検査は便利ですが、万能ではありません。
- 早期のがんでは数値が上昇しないことがある
- 良性の病気でも上がることがあり「偽陽性」が起きやすい
- マーカーだけでがんを確定診断することはできない
そのため、腫瘍マーカーは画像診断や内視鏡検査と併用して使う補助的な検査と位置づけられています。
まとめ
腫瘍マーカーは、血液や尿からがんの存在や治療効果を推測できる重要な検査ですが、それだけでがんを確定するものではありません。
あくまで「参考指標」として活用し、必要に応じて精密検査を受けることが大切です。
定期的な健康診断と合わせて活用することで、がんの早期発見や治療に役立ちます。