はじめに
大学進学の際に多くの学生が利用している「奨学金」。
学費や生活費を支える大切な制度ですが、「借金なのか?給付なのか?」と仕組みをよく理解していない人も少なくありません。
この記事では、日本の大学における奨学金制度の基本と、奨学金を使う人と使わない人の違いについて解説します。

大学の奨学金とは
大学の奨学金は、経済的な理由で学びを続けることが難しい学生を支援するための制度です。
大きく分けると以下の2種類があります。
給付型奨学金
返済不要で、経済的に困難な学生に支給されるもの。
給付型奨学金の条件とは?
給付型奨学金は返済不要なため、多くの学生が望む制度ですが、利用には条件があります。
日本学生支援機構(JASSO)の給付型奨学金を例にすると、以下のような基準があります。
- 家計基準
- 世帯収入や資産が一定以下であること。
住民税非課税世帯やそれに準ずる世帯が対象となります。
- 世帯収入や資産が一定以下であること。
- 学業基準
- 高校での成績や学習意欲が一定水準以上であること。
単純な成績の高さだけでなく、学ぶ意志があるかどうかも重視されます。
- 高校での成績や学習意欲が一定水準以上であること。
- 進学先の基準
- 日本国内の大学、短大、高専、専門学校など、対象となる教育機関に進学・在学していること。
また、大学独自や自治体・民間団体の給付型奨学金では、それぞれ独自の条件が設定される場合があります。
例えば「特定地域出身者」「特定分野を学ぶ学生」などです。
つまり、給付型奨学金は誰でも利用できるわけではなく、家庭の経済状況や学習状況に応じた条件があることを理解しておく必要があります。
貸与型奨学金
卒業後に返済が必要なもの。無利子(第一種)と有利子(第二種)がある
日本では日本学生支援機構(JASSO)が中心的な役割を担っていますが、大学独自の奨学金や自治体・民間団体が提供する奨学金もあります。
奨学金を使う人の特徴
- 家計的に学費や生活費の負担が大きい家庭の学生
- 地方から都市部の大学へ進学し、家賃や生活費がかかる学生
- 専門的な学びのため長期的に学費が必要となる学生
奨学金を利用することで進学のハードルを下げ、学びの機会を確保できます。
奨学金を使わない人の特徴
- 家計に十分な余裕があり、親の支援で学費を賄える学生
- 特待生や授業料免除など別の支援制度を利用している学生
- 進学費用を事前に貯蓄で準備できた家庭の学生
この場合は卒業後の返済義務がないため、経済的に自由度が高いのが特徴です。
奨学金利用のメリットと注意点
- メリット
- 進学の機会を得られる、学費や生活費を安心してまかなえる
- 注意点
- 貸与型の場合は卒業後の返済負担がある。
特に第二種(有利子)の場合は返済総額が膨らむ可能性がある
- 貸与型の場合は卒業後の返済負担がある。
まとめ
大学の奨学金は、進学のチャンスを広げる大切な制度です。利用するかしないかは家庭の経済状況や進学先によって異なります。
借りる場合は「返済後の生活」を意識しつつ、給付型や返済負担の少ない制度を積極的に活用することが大切です。