今さら聞けない…ビジネス上で気をつけるべき言いまわしや敬語、言葉遣いの基本

2022年2月24日

新入社員研修で、最初に指導されるのが言葉遣いです。
基本的な挨拶や社会人としての言葉遣いを身に着けなくてはいけません。
ビジネスの場において、取引先や顧客への言葉遣いがそのまま会社全体のイメージへと繋がってしまいます。
言葉遣いや押さえておきたい言い回しなど、気をつけるべきことはどんなことでしょうか?

ビジネスシーンにふさわしい言い回し

ビジネスの世界では、日常生活の会話とは異なる言い回しが必要となります。
例えば、上司からの指示への返答で「了解しました」「わかりました」では間違いです。

取引先やお客様に対して、少し待ってもらう際に「ちょっと待っててください」という発言も失礼に当たります。
以下に、ビジネスシーンにふさわしい言い回しを記載します。


ちょっと待ってください

少々お待ちください


わかりました

承知しました/かしこまりました


知りません/知っています

存じません/存じ上げています


できません

申し訳ありませんがいたしかねます


ちょっといいですか

いま、よろしいでしょうか


すみませんが

恐れ入りますが/お手数ですが


来てもらえませんか

ご足労願えませんか


否定する際の言葉としては「いたしかねます」を使用しますが、接客用語としては正解です。
しかし取引中にこの言葉を一言だけ使用すると、相手に不快感を与えてしまうので気をつけましょう。

このような場合は、クッション言葉とセットで使うと良いでしょう。

申し訳ありませんが、それは致しかねます。力不足で申し訳ありません。

という風に使用しましょう。

「致しかねます」と「いたしかねます」

文章で「致しかねます」と漢字で書く場合と「いたしかねます」と平仮名で書く場合があり、ビジネスシーンではよく使う用語なので覚えておくと良いでしょう。

「致しかねます」

「致しかねる」を本動詞で使う場合には漢字を使用します。

「申し訳ありませんが、弊社では致しかねます。力不足で申し訳ありません」

「いたしかねます」

「大変ありがたいお話しなのですが、お受けいたしかねます」

「お受けする」という動詞を補助する補助動詞として使う場合は平仮名を使用します。

漢字で書くか平仮名で書くかで、きちんとビジネスマナーを身に着けているかどうかがわかります。

同じように、補助動詞として使う例で取引先や顧客との文章のやりとりにおいて

お願い致します

と書いてしまうと、失礼に当たります。

お願いいたします。

と書きましょう。

3つの敬語表現

敬語を使いこなすのは難しいですが、ビジネス社会では避けて通ることができません。
敬語には尊敬語、謙譲語、丁寧語の3種類があります。

尊敬語

相手や第三者を敬う言葉です。

おっしゃる/召し上がる/来られる/お考え/ご覧になる/なさる

謙譲語

自分や第三者(身内)がへりくだる言葉です。

申す/いただく/伺う/お持ちする/ご提供する/弊社/拝見/参る/いたす

丁寧語

相手を敬って、表現を丁寧にする言葉です。

です/ます/ございます/お約束

敬語の難しいところは、誰に敬意を払うかによって使い方が変わるところです。

例えば、上司が出かける時に

「お出かけですか?」

と尋ねることは間違っていません。しかし、取引先の人から上司のことを聞かれた時に

「課長はお出かけです」

と答えることは間違いです。正しくは

「課長は出かけております」

と謙譲語になります。

取引先には最も敬意を払うべきであり、たとえ上司のことであってもへりくだった表現をしなくてはなりません。

敬語の使いすぎに注意

敬語の使いすぎに注意しなくてはなりません。

二重敬語

報告書をご覧になられましたか?

報告書をご覧になりましたか?

「ご覧になる」はそれ自体が尊敬語になるので、「られる」をつけると過剰になります。

「お」や「ご」をつけすぎ

「お身体のご調子がお悪いそうで…」

「お身体の調子が悪いそうで…」

「お」や「ご」の連発はかえって敬意が感じられません。
過剰敬語は、時には慇懃無礼になるので注意しましょう。

敬称の使い方

ビジネス社会では、人や会社の呼び方や敬称の付け方にもルールがあります。

自分のことや、自社の呼び方

自分のことは「わたし」または「わたくし」と言うのは当然のルールです。

また自分の会社のことを「うちの会社」という言い方も通用しません。
自社のことは「当社」「弊社」「わたくしども」と言い、相手の会社は「御社」とするのが基本です。

役職名に「さん」はつけない

ビジネス上、相手の呼び方は姓に敬称をつけて「○○さん」が基本です。

しかし、課長や部長などの役職が就いている人の場合は「課長」や「部長」などの職位名称には元々敬意が込められているので、「○○課長」などと呼ぶのが基本です。

外部の人に対しては身内に敬称をつけない

外部の人に自社の人間の名を出すときは、敬称をつけずに姓を呼び捨てにします。

「課長の○○は外出しております」
「○○は席を外しております」(課長のこと)

この場合の「課長」は職位の説明にすぎず、敬意にはあたりません。

まとめ

ビジネスで使用する言葉は、普段使っている言葉とは違うので覚えるのも大変ですね。
しかし、言葉遣いにはその人の人格があらわれます。

一般に定着していないカタカナ用語を頻繁に使ったり、二度返事をしたり、語尾を伸ばす話し方などは社会人としてふさわしくないと判断されても仕方ないでしょう。

言葉遣いだけではなく、表情や話し方や態度なども会話の重要な要素なので気をつけたいものです。

  • B!