はじめに
「水を売っているわけじゃないのに、水商売ってどういう意味?」と思ったことはありませんか?
スナックやキャバクラ、クラブなど夜のお店を総称して「水商売」と呼びますが、なぜそう呼ばれるようになったのでしょうか。
この記事では「水商売」という言葉の由来や意味、そしてキャバクラやクラブ、スナックといった業態の違いについてもわかりやすく解説します。

「水商売」とは?
そもそも「水商売」という言葉は、どのような業種や仕事を指しているのでしょうか?
まずは一般的な意味から見ていきましょう。
水商売(みずしょうばい)とは、先の見通しが立ちにくく、世間の人気や嗜好に大きく依存し、収入が不確定な業種や職業、およびそうしたものに従事する人を指す日本の俗語である。なお、日雇い労働者、農家、漁師など、収入が安定しない理由が世間の人気や嗜好でない職業は、水商売に含まない。
Wikipedia-「水商売」より
飲食業や花柳界、性風俗業のような業種のほかに、相撲や歌舞伎、演劇などの興行ものや人気商売(芸能人、スポーツ選手など)、作家・クリエイターといった職業も含む言葉。
夜間営業で酒を出す飲食店(主にバーや接待クラブ)や風俗営業、ホスト・ホステス、風俗嬢などに限定して指す接待飲食等営業の場合は「お水」とも呼ばれている。
「水商売」という呼び方の説
- 江戸時代に湯茶を飲ませて往来の人を休息させた水茶屋が、いつのころからか女性を奥の座敷に置き、酒の酌などをさせるようになりました。やがてこれが本業となったため、女性が酒の相手をする商売のことを水茶屋から水商売というようになった説。
- 酒の席での恋愛やケンカは、酔いがさめたら全て水に流すということから水商売と言われるようになった説。
- スナックやキャバクラは浮き沈みが激しいために、それを水の流れに例えたという説。

業種名の由来
水商売には「キャバレー」「キャバクラ」「クラブ」「スナック」など様々な名前があります。
それぞれ何が違うのでしょうか?
キャバレーとは?
キャバレーは、フランスの「cabaret」からきている言葉です。
フランスでは、コメディや歌、ショー、ダンスなど色々なパフォーマンスを楽しむ飲食店として知られています。
日本では、1960年から1970年代にかけて大流行しました。
ダンスホールでお客さまとホステスが一緒に踊ったり、ステージを前にして飲食を楽しんだりしたそうです。
料金は時間制で、明朗会計なのが特徴です。
しかし、70年代半ばになるとディスコが人気を施し、80年代にはキャバクラ人気に押されてしまいます。
現在ではほとんどなくなってしまったということです。
キャバクラとは?
1980年代半ばにできて、バブル期に広がりました。
キャバ嬢と呼ばれる女性スタッフがお客さまと一緒の席に座り、接待をする飲食店です。
「キャバクラ」の名前の由来としては、キャバレーとクラブを合体させた造語だと言われています。
キャバレーのようなカジュアルな感じで時間制明朗会計プラス、クラブの高級感をかけ合わせた和製英語だと言われています。
クラブとは?
会員制の集まりを表す英語の「club」からきていると言われています。
18世紀から19世紀にかけて同じ趣味を持つ仲間が定期的に集まるという意味で、成立したとされています。
日本では、外国駐屯地でつくられた「外国人クラブ」が始まりだとされており、1870年代には様々な社交クラブが作られたといいます。
そして社交クラブから始まり、男性会員が女性ホステスに飲食などの接待を受けるお店をクラブと呼ぶようになりました。
水商売のクラブは、会員の男性がホステスとゆっくりお酒を楽しむことを目的とされています。
また料金も高く、ホステス自身にも内面や外面、知識の面でもレベルの高さが要求されます。
スナックとは?
スナックの語源は「スナック・バー」で、もともとは軽食を出すバーを意味します。
日本では、カウンター越しに接客するスタイルが定着しています。

まとめ
「水商売」という言葉には、水茶屋から発展した説や感情や関係性を“水に流す”という考え方から来た説、水のように不安定な商売という意味づけなど、3つの由来があります。
また、「キャバクラ」「クラブ」「スナック」などの違いについても見てきました。
いずれも接客とお酒を提供する点では共通していますが、料金システム・雰囲気・スタッフの接客方法に違いがあります。
たとえば以下が特徴です。
- キャバクラ: 20代中心の明朗会計型
- クラブ: 高級感のある会員制
- スナック: カウンター越しの気軽な雰囲気
一昔前は「泥水商売」などとひゆされることもありましたが、現在では接客力や人間性が求められるプロの世界として見直されつつあります。