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映画やドラマの撮影で使われるお酒やタバコは本物?

はじめに

映画やドラマに飲酒シーンは数多く登場しますが、本当にお酒を飲んでいたら役者は撮影中に酔っ払ってしまうように思います。
では、映画の中で役者は本当にお酒を飲み、タバコを吸っているのでしょうか?

アルコール

ビールを飲んでいるシーンに関しては、多くがリンゴジュースを使用しています。
その他にノンアルコールのビールや炭酸のアイスティーを使用するとのこと。
ウオツカなど透明なお酒の場合は、水を代用します。

スパークリングワインやシャンパンの代わりに使われるのは、ジンジャーエール
ウイスキーやラムの代わりには、紅茶が使用されます。

何度も撮影する中で本物のお酒を飲むと酔っ払ってしまっては、
その後の撮影にも影響するので本物のお酒が使われることはほとんどありません

タバコ

タバコに関しても、多くは偽物です。
撮影は長時間かかり、同じシーンを何度も繰り返す場合もあります。
そのため、ニコチンもタールも入っていないハーブタバコやカモミール茶葉を使用します。

ただし近年は、未成年者の喫煙シーンはテレビ局に敬遠される傾向があります。

タバコの広告規制と影響力

2000年代前半くらいは当たり前のようにドラマの中であった喫煙シーンも次第に少なくなりました。
ドラマや映画のストーリー的に、未成年者の喫煙シーンが必要な場合もありますが、それも年々減ってきています。

タバコを専売している「日本たばこ産業」では1998年からテレビやラジオ、インターネットでのタバコの銘柄のCMを自粛しています。

映画やドラマなどで成人が喫煙している分には法律に違反はしていませんが、
タバコを吸うシーンが減ってきた背景には、テレビの影響力やCMでの規制と同じ理由で社会風潮の影響があります。

2005年に世界的にタバコの広告規制が決定されたのでその影響もあるでしょう。

広告規制
欧州連合と世界保健機構(WHO)の両方はたばこ広告を許可してはならないとしている。
2005年2月27日に実施されたたばこの規制に関する世界保健機関枠組条約は参加国の憲法が禁止していないかぎり、条約に同意した168カ国全部がたばこ広告を禁止することが義務付けられている。

2014年以降は自己申告による年齢確認により、視聴者層の年齢が特定できるインターネット上のみで電子たばこのブランドそのもののCMがウェブサイトに埋め込み形式で表示させるタイプの動画の広告や、利用者の年齢確認を行っているTVerやABEMAなどの動画配信サービスで放送されるCMとして復活している。

参考:Wikipedia「たばこ広告」

さらに、ダートマス大学の研究者チームのLancet論文によると、
全米から6500名を無作為抽出した追跡調査を行った結果、
未成年者の喫煙は44%が映画の喫煙シーンを見たことによって引き起こされたことが分かりました。

今後も、タバコの購買意欲を助長させるようなCMは放送されず、
余計にドラマや映画や漫画でもタバコを吸うシーンは厳しくなるかもしれませんね。

また、禁煙するとなぜ太りやすくなるのかについての記事も参考にしてください。

まとめ

映画やドラマで登場するお酒やタバコは、見た目こそ本物でも多くが代用品です。

  • 酒類:リンゴジュースや紅茶、水などを活用
  • タバコ:ニコチン・タールを含まないハーブタバコ
  • 演技や撮影効率、健康面への配慮が背景にある
  • 社会風潮や広告規制も喫煙描写に影響している

ちなみに、ある女優さんが偽物と思って飲み過ぎたら実は本物で酔ってしまった…
なんてエピソードもあるそうです。リアルな演技の裏には、こうした工夫が隠れているんですね。

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