はじめに
誰かから好意を寄せられたとき、自分がその気持ちに応えられない場合、どのように対応するのが正しいのでしょうか?
「誠実な人なら、はっきり断るべき」と言われることもあります。しかし、実際には曖昧な態度をとる人も少なくありません。
むしろ、遠回しに冷たくしたり、忙しさを理由にして距離を置いたりする人の方が多いかもしれません。
なぜ、明確に「NO」と言わずに、曖昧な対応をしてしまう人がいるのでしょうか?
その心理を掘り下げながら、誠実な対応とは何かを考えていきます。

曖昧な態度をとる理由
悪者になりたくない心理
人は本能的に、他人から悪く思われたくないと考えます。
特に、相手が自分に好意を持っている場合、冷たく振ることで「冷酷な人」「無情な人」と思われることを恐れるのです。
「相手を傷つけたくない」という気持ちが根底にあるものの、実際には傷つけないように曖昧な態度をとることが、結果的に相手をより深く傷つけてしまうこともあります。
気持ちを察してもらいたい
明確に「ごめんなさい」と伝えるのではなく、遠回しに冷たくすることで相手に「察してもらおう」とするケースもあります。
例えば、返信の頻度を減らしたり、予定があると言い続けたりするなど、相手に「脈がない」と感じさせる行動です。
この方法は、一見すると優しさのように思えますが、相手によっては期待を捨てきれず、無駄に時間を費やしてしまうこともあります。
人間関係を壊したくない
好意を寄せてくれた相手が同じ職場や友人関係にいる場合、はっきりと断ることで関係が気まずくなるのを避けたいと考える人もいます。
「友達としては仲良くしたい」「仕事で関わる以上、険悪な関係にはなりたくない」という理由で、なるべく波風を立てずに済ませようとするのです。
自分の中でも迷いがある
完全に相手を好きではないものの、もしかしたら気持ちが変わるかもしれないという迷いがあるとき、はっきり断ることをためらうことがあります。
「もう少し相手のことを知ったら印象が変わるかも…」という心理から、少し距離を置きつつ関係を続けようとするのです。
しかし、結果的に相手に余計な期待を持たせてしまうことがあります。
誠実な対応とは?
はっきり断る勇気を持つ
相手の気持ちに応えられないと分かっているなら、できるだけ早く誠実に伝えることが大切です。
優しさとは、「相手を無駄に傷つけないこと」だけでなく、「余計な期待を抱かせないこと」でもあります。
「ごめんなさい。あなたの気持ちは嬉しいけれど、私はその気持ちには応えられません」と率直に伝えることで、相手も早く気持ちを整理し、新しい出会いに向かうことができます。
相手を傷つけない言い方を工夫する
はっきり断るといっても、冷たく突き放すのではなく、相手の気持ちを尊重しながら伝えることが大切です。
例えば、「あなたは素敵な人だけど、ごめんなさい、私は今恋愛を考えていない」といった言い方をすれば、相手を尊重しつつ、しっかりと断ることができます。
相手に引きずらせるような態度はとらない
断った後に優しくしすぎると、相手は「まだチャンスがあるかもしれない」と思ってしまうことがあります。
特に、曖昧な態度を続けると、相手が前に進む妨げになってしまうことも。
一度断ったら、一定の距離を保つことが誠実な対応といえます。
人間関係を維持したいなら時間をおく
もし、相手と友人関係を続けたいのであれば、一定の期間を空けることが効果的です。
すぐに友達として接しようとすると、相手が未練を持ってしまう可能性があります。
適度な距離を保ち、相手が気持ちを整理できる時間を作ることが、結果的に良好な関係を築くためのポイントになります。
まとめ
人は、好きではない相手を振るときに「悪者になりたくない」「相手に察してほしい」と思い、曖昧な態度をとりがちです。
しかし、こうした態度は相手を余計に傷つけることにもつながります。
誠実な対応とは、相手に余計な期待を持たせず、早めにはっきり伝えること。
それが結果的に相手のためにも、自分のためにもなるのです。どう対応すればよいか悩んだときは、「自分が相手の立場だったらどうしてほしいか」を考えてみるとよいでしょう。