はじめに
赤ちゃんを見たとき、「かわいい!」と感じるのはなぜでしょうか?
実は、赤ちゃんのかわいさはただの主観ではなく、科学的な根拠があります。
その要因の一つが「ベビースキーマ」と呼ばれる特徴です。さらに、大阪大学の研究によると、赤ちゃんの顔のかわいさに対する評価は多くの人で一致し、若い男性はその判断が苦手な傾向があることも明らかになっています。
本記事では、赤ちゃんのかわいさの理由と、最新の研究結果について詳しく解説します。

ベビースキーマとは?
ベビースキーマ(Baby Schema)とは、動物の赤ちゃんが持つ「かわいらしさ」の特徴のことを指します。
この概念は、動物行動学者のコンラート・ローレンツによって提唱されました。
ベビースキーマの特徴には、以下のようなものがあります。
- 大きな頭と丸い顔
- 大きな目と小さな鼻・口
- ぷくぷくした頬
- 短くふわふわした手足
これらの特徴を持つことで、人間は本能的に「かわいい」と感じ、赤ちゃんを守りたい、世話をしたいという気持ちが湧くとされています。
赤ちゃんの「かわいさ」は客観的に判断できる?
大阪大学の研究によると、赤ちゃんの顔の「かわいさ」の判断は、個人の好みによるものではなく、多くの人で一致することが分かっています。
これは、かわいさが生物学的な要因に基づいているためと考えられます。
また、この研究では以下のことも明らかになりました。
- 若い男性は「かわいさ」の高低を認識するのが苦手な傾向がある。
- 例えば、年齢や性別によって、赤ちゃんのかわいさを感じ取る能力に違いがある可能性があります。
- 客観的な「かわいさ」は存在するが、個人が抱く「かわいい感情」には個人差がある。
- つまり、科学的に「かわいい顔」は存在するものの、人によって感じ方が異なることもあるのです。
なぜ「かわいい」と感じるのか?
赤ちゃんのかわいさに反応するのは、単なる感情ではなく、脳の働きによるものです。
研究によると、赤ちゃんの顔を見ると、脳の報酬系が活性化することが分かっています。
これは、美味しい食べ物を食べたときや、楽しいことをしたときと同じように、快感を感じる部分です。
また、かわいいと感じることで、赤ちゃんの世話をする意欲が高まると考えられています。
これは、進化の過程で赤ちゃんを守るために発達した本能とも言えるでしょう。
かわいさは文化や時代で変わる?
ベビースキーマによる「かわいい」と感じる要素は、世界共通ですが、時代や文化によっても微妙な違いが見られることがあります。
例えば、日本では「丸い顔」や「大きな目」がかわいいとされることが多いですが、他の国では異なる基準がある場合もあります。
また、時代によっても、流行する「かわいい顔」の特徴が変わることがあります。
まとめ
赤ちゃんのかわいさには、科学的な根拠があり、本能的に人間が魅力を感じる仕組みが備わっていることがわかりました。
- ベビースキーマとは、赤ちゃんが持つ「かわいい」特徴のこと。
- 「かわいさ」の判断は、多くの人で一致する。
- 若い男性はかわいさの認識が苦手な傾向がある。
- 脳の働きによって、かわいいと感じると世話をしたくなる。
赤ちゃんのかわいさは、私たちが無意識のうちに守ろうとする本能によって生まれたもの。
これを知ると、ますます赤ちゃんが愛おしく感じられるかもしれません。