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古代ギリシャの建築は柱が多いのはなぜ?

はじめに

古代ギリシャの建築といえば、多くのが並ぶ壮大な神殿が思い浮かびます。
なぜギリシャ建築にはこんなにも多くの柱が使われているのでしょうか?
その理由は、単なるデザインではなく、建築技術や美学、宗教的な意味が深く関わっています。
この記事では、古代ギリシャ建築の柱が多い理由を解説します。

パルテノン神殿

古代ギリシャ建築の特徴

古代ギリシャ建築の代表的な建物には、パルテノン神殿などの神殿があります。
これらの建物にはドリス式・イオニア式・コリント式という3つの柱のスタイルがあり、それぞれ異なるデザインが施されています。

● ドリス式(Doric Order)
最もシンプルなデザインで、太く、装飾が少ない柱が特徴です。
安定感があり、力強い印象を与えます。

● イオニア式(Ionic Order)
柱頭に渦巻き模様があるのが特徴です。
ドリス式よりも細身で優雅なデザインになっています。

● コリント式(Corinthian Order)
柱頭にアカンサスの葉の装飾が施された豪華なデザイン。
後のローマ建築にも大きな影響を与えました。

柱が多い理由

古代ギリシャの建築に柱が多い理由には、3つの主要な要因があります。

● 重い屋根を支えるため
古代ギリシャの建築では、大理石や石を使った重い屋根を支える必要がありました。
現代の建築のような鉄骨やコンクリートはなかったため、柱を多く配置することで屋根の重量を分散し、建物全体の安定性を確保していました。

● 美的バランスと対称性
ギリシャ人は完璧な調和を求める文化を持っていました。
建築においても、柱を均等に配置することで、対称性とバランスを生み出し、見た目にも美しい建物を作りました。
特に、パルテノン神殿の柱は、わずかに中央が膨らんでいる(エンタシス)という設計が施され、視覚的に安定感が増す工夫がされています。

● 宗教的な意味
ギリシャの神殿は、神々を祀る神聖な場所でした。
柱を多く設けることで、建物の威厳を高め、神々への敬意を表していました。
また、柱が連なることで、建物が天へと伸びるような印象を与え、神々と人間をつなぐ役割を果たしていたとも考えられます。

柱の多さとギリシャ建築の影響

古代ギリシャの柱の多い建築スタイルは、後のローマ建築ルネサンス建築にも影響を与えました。
現代でも官庁・博物館・大学の建築にギリシャ建築のデザインが取り入れられています。

例えば、アメリカのホワイトハウスイギリスのバッキンガム宮殿にも、ギリシャ建築の柱の影響が見られます。

まとめ

古代ギリシャ建築に柱が多い理由は、建物の構造的な安定性、美的バランス、宗教的な意味の3つにあります。
柱は単なる装飾ではなく、神聖さや調和を表現する重要な要素だったのです。

現在も世界中でギリシャ建築のデザインが用いられており、その影響力の大きさを感じることができます。

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