はじめに
多発性骨髄腫(たはつせいこつずいしゅ)は、名前だけ聞くと難しそうに感じる病気です。
実際には、血液のがんの一種で、骨の中にある「骨髄」で起こります。
高齢者に多く見られ、初期は気づきにくいこともあるため、正しい知識を持つことが大切です。
この記事では、多発性骨髄腫がどんな病気なのかを、専門知識がなくても理解できるように解説します。

多発性骨髄腫とは
多発性骨髄腫とは、骨髄の中にある形質細胞ががん化する病気です。
形質細胞は本来、
- 免疫を守る抗体を作る
重要な役割を持っています。
しかし、この形質細胞が異常に増えてしまうと、正常な血液細胞の働きを妨げ、さまざまな症状を引き起こします。
骨髄で何が起きているのか
骨髄は、
- 赤血球
- 白血球
- 血小板
を作る工場のような場所です。
多発性骨髄腫では、異常な形質細胞が骨髄内を占領し、正常な血液細胞が作られにくくなります。
その結果、
- 貧血
- 免疫力の低下
- 出血しやすくなる
といった問題が起こります。
どんな症状が出るのか
多発性骨髄腫の症状は人によって異なりますが、代表的なものは次の通りです。
- 骨の痛み(特に背中や腰)
- 貧血による疲れやすさ
- 風邪や感染症にかかりやすい
- 腎臓の働きが悪くなる
- 骨折しやすくなる
初期は「年のせい」「腰痛」などと見過ごされやすい点が特徴です。
なぜ骨がもろくなるのか
異常な形質細胞は、骨を壊す働きを強める物質を出します。
その影響で、
- 骨に穴があく
- 骨密度が低下する
といった変化が起こり、軽い衝撃でも骨折しやすくなります。
これが、多発性骨髄腫で骨の痛みが多い理由です。
原因ははっきりしているのか
現在のところ、多発性骨髄腫の明確な原因は分かっていません。
ただし、
- 高齢
- 加齢による免疫の変化
が関係していると考えられています。
生活習慣や性格が直接の原因になる病気ではありません。
どんな人に多い病気か
多発性骨髄腫は、
- 60歳以上
- 高齢になるほど発症率が上がる
という特徴があります。
若年層ではまれで、加齢とともに増える血液がんです。
治療はできるのか
多発性骨髄腫は、完全に治すことが難しい病気とされていますが、治療法は大きく進歩しています。
- 薬物療法
- 分子標的薬
- 免疫を利用した治療
などにより、長期間病気をコントロールできるケースも増えています。
早期発見と適切な治療が、生活の質を大きく左右します。
早期発見が難しい理由
症状があいまいで、
- 腰痛
- 倦怠感
- 貧血
など、日常的な不調と区別しにくいため、発見が遅れやすい病気です。
血液検査や画像検査で偶然見つかることも少なくありません。
まとめ
多発性骨髄腫は、骨髄の形質細胞が異常に増える血液のがんです。
骨の痛みや貧血、免疫低下など、気づきにくい症状から始まることが多いのが特徴です。
原因ははっきりしていませんが、加齢とともにリスクが高まります。
近年は治療の選択肢が広がり、病気と向き合いながら生活できる時代になっています。
正しい知識を持つことが、早期発見と安心につながります。