はじめに
敬語は日本語の中でも特に複雑で、「正直よく分からない」「種類が多すぎる」と感じている人も多いはずです。
学校で習った記憶はあっても、実際に使い分けようとすると迷ってしまう場面は少なくありません。
そもそも、敬語にはいったいどれだけの種類があり、それぞれどんな役割を持っているのでしょうか。
ここでは、敬語の種類を整理しながら、日本語における敬語の全体像をわかりやすく見ていきます。

敬語は5分類
敬語は相手との関係や場面に応じた表現によって5分類され、以下の通りです。
尊敬語
- 目上の人を敬う表現で「相手を立てたいとき」に使う
- 先生・社長・上司・自分より目上の他人(家族や親戚は含めない)が対象
- 例文
- 聞く→お聞きになる
- 行く→いらっしゃる
- 見る→ご覧になる
謙譲語(その1)
- 行為の向かう相手を立てる場合の表現
- 例文
- 届ける→お届けする
- 行く→伺う
- 与える→差し上げる
謙譲語(その2)
- 自分側の行為・ものごとなどを相手に対して丁重に述べる表現
- 自分がへりくだること、謙遜することで相手を立てる表現
- 例文
- 言う→申す
- 行く→参る
- 弊社
- 小社
丁寧語
- 誰に対しても使える敬語
- 語尾に「です」「ます」を付けて丁寧に述べる表現
- 相手に対して丁寧に述べる表現
- 話し手が聞き手に対して敬意を表す場合に用いられる
- ます/です
- ございます
美化語
- 「お料理」「ご祝儀」など言葉の先頭に「お」や「ご」をつけて美化する表現
- 物事を美化する表現
- コーヒーのような外来語に「お」をつけるのは誤り
- ビジネスや公式の場での使用が多く、一般的な会話や日常会話ではあまり使われない
- お茶
- お花
- お料理
- お口直し
- お忙しいところ
敬語は海外でも使用されるの?
敬語は日本語独特の言語文化的な特徴であるため、海外ではあまり使用されません。
ただし日本語を学んでいる外国人や、日本と取引を行う国際的なビジネスシーンなどでは、敬語の使用が必要になることもあります。
また一部のアジア諸国や欧州でも、自国語の敬語文化に基づいて、相手に対して敬意を示すための表現がある場合もあります。
例えば韓国語や中国語、ドイツ語などがその代表例です。
ただし世界中で広く使用されている英語には、日本語のような敬語システムは存在しません。
英語では、場合によっては相手に対して敬意を示す表現がありますが、敬語のように正式な文法ルールに基づくものではありません。

まとめ
敬語は、日本語における重要な言語表現の一つであり、相手や社会的地位に応じて敬意や丁寧さを示すために使われます。
敬語には「尊敬語」「謙譲語1」「謙譲語2」「丁寧語」「美化語」の5つの種類があります。
敬語は、ビジネスや公式な場面でのコミュニケーションに不可欠なものであり、日本社会では非常に重要視されています。
しかし敬語の使い方は非常に複雑で、正しい表現方法を身につけるには、熟練した指導や長年の実践が必要です。
また敬語は日本独特の特徴であり、海外ではあまり使用されていません。
国際語である英語にも、相手に対して敬意を示す表現はありますが、日本語のように正式な文法ルールに基づく敬語システムは存在しないのです。
また、二重敬語についての記事「「ございますでしょうか」は正しい敬語?」も参考にしてください。