はじめに
ゴールデンウィークの時期になると、NHKのニュースでは「ゴールデンウィーク」ではなく「大型連休」という表現が使われていることに気づく人も多いでしょう。
「なぜわざわざ言い換えるの?」「ゴールデンウィークでいいのでは?」と疑問に感じるのも無理はありません。
実はこの言い回しには、放送局としての立場や言葉の成り立ち、公共性への配慮といった理由が関係しています。
ここでは、NHKが「大型連休」という表現を使う背景をわかりやすく解説していきます。

GWという言葉はいつできたのか
「ゴールデンウィーク」という言葉は、昭和30年代(1950年代後半)に日本で使われ始めたとされています。
当時、4月29日の天皇誕生日と、5月3日から5月5日までの憲法記念日・こどもの日といった祝日が続いており、土日や有給休暇の取得によって長期の連休になりやすい時期でした。
この期間に旅行や娯楽の需要が高まったことから、旅行業界を中心に「ゴールデンウィーク」という呼び名が広まったと考えられています。
また、有力な説の一つとして、映画業界が語源とする説があります。
昭和30年代、映画業界ではこの時期を正月やお盆に次ぐ興行の好機と捉え、大作映画を公開する特別な期間として位置づけていました。
その「黄金週間」という意味合いから、「ゴールデンウィーク」という名称が生まれたとされています
その後、この言葉は旅行業界やメディアを通じて一般にも浸透し、現在では祝日と土日、有給休暇の組み合わせによって長期休暇になりやすい期間を指す言葉として定着しています。

NHKが「大型連休」と表現する理由
しかしNHKの放送では、昔から原則として「ゴールデンウィーク」とは表現せずに「大型連休」という言葉を用いているのです。
それはどうしてなのでしょうか?
理由としては以下のようなことが考えられます。
NHKは公共放送として、商業色の強い表現を避けているため
NHKは日本の公共放送機関であり、日本国内における祝日や行事に関する情報を提供する役割を担っています。
一方で「ゴールデンウィーク」という用語は、前述した通り商業的な観点から日本の旅行業界が定めた言葉であり、祝日や休暇の期間に関する表現として一般的に用いられています。
しかしNHKは、正式に定められた祝日や休暇については、国が定めた名称を使用しています。
5月の祝日については「憲法記念日」、「みどりの日」、「こどもの日」という名称が定められています。
そのためNHKは「ゴールデンウィーク」という用語を使わず、正式名称を使用して伝えていると考えられます。
視聴者にとってわかりやすい表現なため
「大型連休」という表現は、祝日が複数ある場合に使われる表現であり、5月の連休期間が1週間以上になる場合に使用されます。
このように、具体的な期間を表現する点で「大型連休」という表現は明確であり、視聴者にとってわかりやすい表現として使用されることがあります。
視聴者からのクレーム
前述したように、GWという言葉は映画業界で使用されるようになったという説もあります。この諸説を前提としてご紹介します。
映画製作会社が大型連休中に大作を投入し、その宣伝を兼ねて考え出された言葉で世間に広まっていきました。
しかし1970年代に起こったオイルショック以降
「呑気に何日も休むことができないのに、なにがゴールデンウィークだ!」
という、その表現に違和感を示す声があったとも言われています。
カタカナや外来語を使用したくない
外来語やカタカナをなるべく避けたいとの放送の制作現場からの声も高まっていたので、大型連休と言い換えるようになったそうです。
また、何度も「大型連休」という言葉を使用していると耳障りになることから、複数回使用するときは
「今度の春の連休では…」
「4月まるからの連休では…」
などと、言い方を変えているということです。

まとめ
「ゴールデンウィーク」という言葉は、1950年代に映画業界で使われ始め、その後、旅行業界によって広く定着した商業的な呼称です。
法律や祝日法で定められた正式名称ではありません。
NHKがこの期間を「大型連休」と表現するのは、公共放送として中立性を重視し、商業色の強い言葉を避けているためです。
また、すべての人が休めるわけではない現実への配慮や、外来語・カタカナ語を控える放送慣行も背景にあると考えられます。
そのためNHKでは、「大型連休」「春の連休」「4月末からの連休」など、状況に応じた表現を使い分けているのです。