どうしてNHKはゴールデンウィークのことを「大型連休」と表現するの?

2023年4月25日

NHKは、GWという表現を避けるって知ってた?

どうして大型連休と言うのだろうか?

何か複雑な事情でもあるのかな?

GWという言葉はいつできたのか

「ゴールデンウィーク」という言葉は、昭和30年代(1950年代後半)に、日本の旅行業界で使用されるようになったとされています。

当時、4月29日の「天皇誕生日」と、5月3日から5月5日までの3日間の「憲法記念日」「こどもの日」が祝日となっていました。
これらを含む10日間の連休期間が設けられたことから、旅行業者がこの期間を「ゴールデンウィーク」と呼ぶようになりました。

その後1973年に「みどりの日」が新たに祝日となり、この日を含む連休期間が11日間となったことから「ゴールデンウィーク」はより広く認知されるようになりました。
現在でも、日本の旅行業界において「ゴールデンウィーク」という言葉は、この10日間から11日間にかけての連休期間を指す言葉として定着しています。

一部の説では、映画業界で使用されるようになった言葉が元になっているという指摘があります。

前述でもあるように昭和30年代(1950年代後半)に、日本での映画上映において4月29日からの10日間の連休期間が「特別興行期間」として定められたことがあります。

この期間中には、大作映画の公開や映画館でのイベントが行われ、多くの観客が訪れたことからこの期間を「ゴールデンウィーク」と呼ぶようになったとされています

NHKが「大型連休」と表現する理由

しかしNHKの放送では、昔から原則として「ゴールデンウィーク」とは表現せずに「大型連休」という言葉を用いているのです。
それはどうしてなのでしょうか?
理由としては以下のようなことが考えられます。

NHKは国が定めた名称を使用しているため

NHKは日本の公共放送機関であり、日本国内における祝日や行事に関する情報を提供する役割を担っています。

一方で「ゴールデンウィーク」という用語は、前述した通り商業的な観点から日本の旅行業界が定めた言葉であり、祝日や休暇の期間に関する表現として一般的に用いられています。

しかしNHKは、正式に定められた祝日や休暇については、国が定めた名称を使用しています。
5月の祝日については「憲法記念日」、「みどりの日」、「こどもの日」という名称が定められています。

そのためNHKは「ゴールデンウィーク」という用語を使わず、正式名称を使用して伝えていると考えられます。

視聴者にとってわかりやすい表現なため

「大型連休」という表現は、祝日が複数ある場合に使われる表現であり、5月の連休期間が1週間以上になる場合に使用されます。

このように、具体的な期間を表現する点で「大型連休」という表現は明確であり、視聴者にとってわかりやすい表現として使用されることがあります。

視聴者からのクレーム

前述したように、GWという言葉は映画業界で使用されるようになったという説もあります。この諸説を前提としてご紹介します。

映画製作会社が大型連休中に大作を投入し、その宣伝を兼ねて考え出された言葉で世間に広まっていきました。
しかし1970年代に起こったオイルショック以降

「呑気に何日も休むことができないのに、なにがゴールデンウィークだ!」

という、視聴者からのクレームの電話が局に何本もきたそうです。

カタカナや外来語を使用したくない

外来語やカタカナをなるべく避けたいとの放送の制作現場からの声も高まっていたので、大型連休と言い換えるようになったそうです。

また、何度も「大型連休」という言葉を使用していると耳障りになることから、複数回使用するときは

「今度の春の連休では…」
「4月まるからの連休では…」

などと、言い方を変えているということです。

まとめ

「GW」という言葉は日本の旅行業界で広まった言葉ですが、一部の説では、映画業界で使用されるようになった言葉が元になっているという指摘もあります。

映画業界で使用されるようになったというこの説については諸説あり、確たる証拠が存在しているわけではありません。

一方で日本の旅行業界が定着させた「ゴールデンウィーク」という言葉が広く認知されるようになった背景には、旅行業界が積極的にキャンペーンを展開し、広告媒体を活用してこの期間をアピールしたことが大きな要因となっています。

また、職種によってはGWにほとんどの人が長期の連休をとれるというわけでもないので、「ゴールデンウィーク」という言葉を良く思わない人たちもいるということを忘れてはいけませんね。

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