はじめに
「同じ学年の中で一番遅く生まれたのに、なぜ“早生まれ”って呼ばれるの?」という素朴な疑問を持ったことはありませんか?
たとえば、2009年4月生まれの人と2010年3月生まれの人は同じ学年に属しますが、なぜか後者のほうが「早生まれ」と呼ばれます。文字通りに考えると逆に感じてしまいますよね。
この記事では、「早生まれ」という言葉の意味と成り立ち、そして学年制度や年度の仕組みとの関係を、わかりやすく解説します。

「早生まれ」とはいつ生まれた人のこと?
日本で「早生まれ」とは、1月1日から4月1日までに生まれた人を指します(厳密には4月1日生まれまで)。
なぜこの期間なのかというと、日本の学校教育における「学年」の区切りが関係しています。
日本では、学年の区切りが4月2日から翌年4月1日と定められているため、
たとえば2009年4月2日生まれから2010年4月1日生まれまでが同じ学年に属するのです。
つまり、カレンダー上では翌年に生まれた人(1月~3月生まれ)が、同じ学年の中で“遅く生まれた”にもかかわらず、「早生まれ」と呼ばれることになるのです。
なぜ「早生まれ」と呼ばれるのか?
「早生まれ」という言葉は、学年のスタートである4月から見て“早い時期”に生まれているという意味で使われています。
つまり、「同じ年の4月から数えて早い段階で誕生日を迎える」という意味での「早」なのです。
カレンダー上では翌年生まれでも、学年の区切りに照らしてみると“学年内で早く生まれている”という解釈になります。
言い換えれば、「学年の始まりから見て、生まれた時期が早い」=「早生まれ」。決して“暦の年”を基準にしているわけではなく、あくまでも「学年の起点」である4月2日を基準にしているのです。
なぜ4月が学年の始まりなの?
そもそも日本の学年がなぜ4月スタートなのかという点にも触れておきましょう。
日本で学年が4月始まりになったのは、明治時代の学制改革がきっかけです。初期はバラバラだった入学時期を、政府の会計年度(4月〜翌年3月)に合わせるかたちで統一され、教育制度でも4月入学が定着していきました。
現在では、4月入学・4月年度始まりが企業・行政・学校すべての基本となっているため、「学年の起点=4月」が常識となり、その基準に基づいて「早生まれ」「遅生まれ」という表現も使われています。
早生まれと学齢の関係
教育現場や保育園、小学校への入学年齢でも、「早生まれ」は特別な位置づけとなります。
日本では、満6歳になった年度の4月に小学校へ入学します。
たとえば、2017年4月2日〜2018年4月1日生まれの子どもたちは、2024年4月に小学校へ入学します。
このうち、2018年1月〜4月1日生まれの子は“早生まれ”となり、年齢的には少し幼い状態で入学することになります。
このため、学力や体力の差が出やすいとされるのも「早生まれ」の特徴です。
ただし、長期的にはその差は徐々に縮まり、最終的に個人差の範囲に収まることが多いとされています。
まとめ
「早生まれ」とは、学年の区切りである4月2日を基準にして“早く生まれた”ことを指す言葉であり、カレンダー上の年ではなく「学年の枠組み」に基づいています。
だからこそ、同じ学年の中では「いちばん遅く生まれた」ように見える1〜3月生まれの人が、実は“早生まれ”という名称で呼ばれるわけです。
ちょっとややこしいですが、日本独自の学年制度や年度の考え方が反映された言葉といえるでしょう。
早生まれ・遅生まれといった表現に戸惑うことがあったら、ぜひこの仕組みを思い出してみてください。