雑学 歴史

漫画『キングダム』の戦国時代、日本では何をしていた?

はじめに

大人気漫画『キングダム』は、中国の戦国時代を舞台に、秦の始皇帝と彼に仕える武将たちが繰り広げる戦いを描いた壮大な物語です。
では同じ時代、日本では一体どんな社会が形成されていたのでしょうか?

中国が統一へ向けて激しい戦乱を繰り広げていた時代、日本列島では国家という概念もまだ存在しておらず、弥生時代の真っただなか
稲作の普及や社会の階層化が進んでいたころです。
この記事では、『キングダム』の時代、日本では何が起きていたのかを探っていきます。

春秋戦国時代とは?

中国の春秋戦国時代は紀元前770年から紀元前221年までの時代で、以下の2つに分かれます。

春秋時代(紀元前770年 - 紀元前476年)

  • 諸侯国同士の連合や対立が繰り返される
  • 封建制が崩れ始め、実力主義の時代へ移行

戦国時代(紀元前475年 - 紀元前221年)

  • 権力争いが激化し、戦国の七雄と呼ばれる強国が台頭
  • 最終的に秦が他国を滅ぼし、中国を統

この時代は、儒教・道教・法家・墨家といった多くの思想が生まれた「諸子百家」の時代でもあり、中国文化の礎が築かれました。

『キングダム』は中国の春秋戦国時代(紀元前475年 - 紀元前221年)を背景にした、原泰久(はら やすひさ)の漫画です。
主人公・信と彼の仲間たちが数々の戦場を経て成長し、信が「大将軍」として中国を統一する夢を追い求めるストーリーを描いています。
信と彼の友人・政(後の始皇帝である嬴政)は、それぞれの夢を実現するために困難を乗り越えていきます。

その頃、日本では?

中国で激しい戦乱が起きていたころ、日本では主に弥生時代から古墳時代への過渡期にあたります。

弥生時代(紀元前10世紀頃 - 紀元後3世紀頃)

  • 朝鮮半島を経由して稲作が伝来し、農耕社会が広がる
  • 青銅器・鉄器の使用が広まり、生活に変化が起きる
  • 村落が形成され、首長を中心とした階層社会が始まる

古墳時代(3世紀 - 7世紀)

  • 前方後円墳など大規模な古墳が作られ始める
  • ヤマト政権が登場し、中央集権の原型が形成される
  • 中国や朝鮮半島との交流が進み、文化・技術が伝来

『キングダム』で描かれる中国の国家形成に比べると、日本はまだ小規模な首長制社会だったと言えるでしょう。

卑弥呼の時代とはズレている?

よく「卑弥呼の時代とキングダムは近いの?」という疑問もありますが、結論から言うとかなりズレがあります。

  • 始皇帝・嬴政が即位したのは紀元前246年
  • 卑弥呼が魏に使者を送ったのは紀元238年(紀元後)

つまり、キングダムの舞台である紀元前3世紀と、卑弥呼が活躍した3世紀中頃の間には約500年の時差があるのです。

まとめ

漫画『キングダム』の時代、中国では統一国家の誕生に向けた激しい戦いが繰り広げられていました。
一方その頃の日本は、まだ国家という枠組みもない弥生時代。稲作が広まり、集落や階層社会がゆっくりと形成されていた段階です。

中国と日本、それぞれの文明発展のスピードを比べてみると、歴史の面白さやつながりをより実感できるかもしれません。

-雑学, 歴史
-,