はじめに
長距離を走っていると、ふと気づけば顎が上がっている――そんな経験はありませんか?
これは単なるクセではなく、疲労やフォームの乱れが関係している可能性があります。
この記事では、「なぜ走ると顎が上がるのか?」という疑問に対し、身体のメカニズムや影響、そして改善策までをわかりやすく解説します。

顎が上がる理由と身体の関係
ランニング中に顎が上がるのは、主に以下の要因が考えられます。
疲労による姿勢維持の困難
走る時間が長くなると、体幹や背中・肩周りの筋肉が疲れてきます。
姿勢を保つための筋力が弱まると、身体全体が「のけぞる」ような形になり、結果として顎が上がってしまいます。
呼吸を確保しようとする無意識の反応
息が苦しくなってくると、無意識に気道を広げようとして顔が上がることがあります。
肩や首の緊張
力んだ状態で走っていると、首や肩に無駄な力が入り、その結果として顎が突き出るようなフォームになることがあります。
顎が上がることの影響
顎が上がった状態でのランニングは、以下のような問題を引き起こす可能性があります。
フォームの乱れ
頭の位置が変わることで体幹のバランスが崩れ、全身の連動性が低下します。
余計な緊張感
首や肩、背中に無駄な力が入り、エネルギーのロスが増えます。
呼吸が浅くなる
顎が上がることで胸が張りすぎ、腹式呼吸がしづらくなり、呼吸が浅く速くなりやすい傾向があります。
正しいフォームのポイント
顎が上がらないためには、走るフォーム全体を整えることが大切です。
目線は前方10〜15m先を見る
下や上を見すぎると頭の位置がブレるため、自然に前方を見るよう意識しましょう。
首や肩の力を抜く
脱力を意識し、リズムよく腕を振ることで、顎や肩の余計な緊張を防ぎます。
体幹を安定させる
姿勢を支えるためには腹筋・背筋が重要です。特に骨盤の前傾を意識すると、顎が上がりにくくなります。
顎の位置を維持するテクニック
実際のランニング中に顎の位置を意識するには、次のようなテクニックが役立ちます。
「軽くあごを引く」を意識
過度に下を向かず、気道を確保した状態で自然に軽くあごを引く感覚を持つことがポイントです。
胸の上に糸がついているイメージ
糸で上に引っ張られるように姿勢を保つことで、自然と頭と顎の位置が整います。
動画で自分のフォームを確認する
スマホで走っている姿を録画し、顎や肩の位置をチェックすることで、無意識の動きを客観的に把握できます。
まとめ
走っていると顎が上がってしまう現象は、疲労・緊張・姿勢の乱れなどが原因であることがわかりました。
正しいフォームと意識的なトレーニングを取り入れることで、顎の動きは改善できます。
特に、顎の位置は体幹の使い方やリラックス具合とも直結しているため、小さな変化が走りの質に大きく影響を与えます。
フォームを整え、顎の位置を意識することで、より効率的で快適なランニングを目指しましょう。